減少傾向とは言うものの、日本人が罹患しやすいがんである胃がん。
罹患数では第二位、死亡数では第三位に位置しています。
減少傾向とは言うものの、日本人が罹患しやすいがんである胃がん。
罹患数では第二位、死亡数では第三位に位置しています。
胃がんとは
胃がんは胃の内側をおおう粘膜にできるがんです。がんが大きくなるにつれて粘膜下層、固有筋層、漿膜へと広がり、進行すると漿膜の外側まで達して近くにある大腸や膵臓に転移してしまいます。また、胃がんの中には、胃壁の中で拡がっていくスキルス胃がんもあります。スキルス胃がんは早期発見が難しく、治りにくいがんとされています。
胃がんの主な原因
胃がんの原因には以下のようなものがあります。
- ● ヘリコバクター・ピロリ菌への感染
- ● 塩分の多い食事
- ● ストレス
- ● 運動不足
- ● 喫煙
■ 胃がんの広がり方
胃がんの原因と言えば、ヘリコバクター・ピロリ菌(以下:ピロリ菌)への感染です。胃の幽門部分に住み着く細菌で、世界的にみても日本人の感染率は高く、50歳以上の人は特に高いといわれています。また、塩分の多い食事は胃粘膜を荒らし、ピロリ菌が繁殖する温床になりやすいとされています。そのほか、ストレス、運動不足、喫煙などが胃がんのリスクを高めるとされています。
胃がんを予防する
胃がんを予防するためには、まずはピロリ菌の感染の有無を調べ、感染していたら除菌することです。そして毎日の食事では塩分を摂りすぎないようにしましょう。ストレスは胃の働きを低下させ、がんに付け入るスキを与えるため、ストレスをためないようにすることも大切です。ストレス発散と予防に効果的なのが軽い運動です。特に腹筋運動は消化器官の働きをアップさせ、免疫力を高めます。
胃潰瘍は胃がんにつながる?
胃潰瘍から胃がんは発生しません。しかし胃潰瘍はピロリ菌が原因であることが多く、胃潰瘍になりやすい人は胃がんになりやすいともいえます。
■ 胃がんを予防する10ポイント
- □ 偏食をせず、バランスよく食べる
- □ 適度な運動をする
- □ 定期検査を受ける
- □ ピロリ菌の有無を調べる
- □ 塩分の過剰摂取に注意する
- □ 辛い食べ物は控える
- □ 料理のこげた部分は食べない
- □ 熱いものを一気に飲まない
- □ ストレスを溜めないようにする
- □ タバコをやめる
胃を労わる食事
胃の調子が優れないときは、何よりも消化の良い食べ物を摂ることが大事です。食材選び、調理法などを工夫しましょう。
調理方法のポイント
消化の良い食べ物 (一例)
穀類 | ごはん(粥)/白パン/うどん |
肉 | 鶏ささみ(煮る・蒸す) |
豆類 | 豆腐/高野豆腐/きな粉 |
果物 | バナナ/リンゴ/白桃 |
魚 | 白身魚(煮る・蒸す) |
卵 | 半熟卵/卵豆腐/茶碗蒸し |
野菜 | やわらかく煮た野菜/ジュース |
乳製品 | 牛乳/ヨーグルト/チーズ |
※上記は一例です。胃の状態や症状によっては適さない場合もあります。
胃酸の分泌を高める食品は控える
- 香辛料の多いものこしょう・唐辛子
- 甘味の強いもの煮豆・まんじゅう
- 食塩の多いもの漬物・塩辛
- 酸味の強いもの酢の物・柑橘類
- 嗜好飲料アルコール・炭酸飲料
・コーヒー・紅茶
・濃い緑茶等
塩分を排出してくれる食品
胃がんの予防には、塩分を控えると同時に、塩分を排出してくれるカリウムを含む食事を取るとより効果的です。アボガド、ひきわり納豆、きな粉、干し椎茸、切り干し大根、抹茶、干しぶどうなどに多く含まれます。
最近よく耳にする「逆流性食道炎」とは、
どのような病気なの?
「逆流性食道炎」は、胃の内容物が食道を逆流する病気です。食べ物だけでなく胃酸なども逆流するため、食道に炎症が起きて胸やけや胸痛などの症状があらわれます。逆流性食道炎は胃の内容物の逆流を防ぐ「下部食道括約筋」の働きが加齢で弱くなるほか、食道のぜん動運動の低下、唾液量が減少することなどが原因で起こります。予防には右記のような対策が効果的とされています。
- ・過食しない
- ・消化の良いものを摂る
- ・油物や刺激物などを摂らない
- ・食後すぐに横にならない
- ・就寝前に食事しない
- ・上半身を少し高くして寝る